世の中にあふれる平均値
- 平均身長は○cmです。
- 年収の平均は○○円です。
- 世帯貯蓄額の平均は○○円です。
- 40歳男性の平均年収は○○円です。
- 結婚年齢は平均○○歳です。
- 生後3か月の赤ちゃんの体重は平均○○gです。
世の中には、平均値があふれています。データが集められ統計がとられるものであれば、必ずと言っていいほど平均値が出てきます。世の中で計測できるものすべてに平均値が出されるのでは?と思います。この平均値と自分とを比べて、上回っていたら嬉しくなり下回っているとダメだなあと思ったり、平均値付近であればまあいいかと思う。平均値をこのように使っているのではないでしょうか。
平均値とは便利な指標です。すべてのデータを足して、データの数で割ることで簡単に得ることもでき、計測したデータをすべて一つ一つ見なくても、数字一つでそのデータ全体を表すことができます。しかし、一つの数字で表すがゆえにその他のデータが失われてしまい、平均値以外の情報がわからなくなっています。
たとえば、日本世帯の平均貯蓄額は、1739万円ですが、
※総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成25年(2013年)平均結果速報-」
平均は1739万円なのか、ずいぶん多いなと思ってしまいますね。たしかに平均値は1739万円ですが、世帯の数で見れば500万円以下の世帯が一番多いのです。莫大な資産を保有している世帯の貯蓄額は、数千万、数億、何十億と上を見ればきりがありませんが、一方最低の貯蓄額は0円と決まっていますので、平均値をとるとどうしても数値が高めに出てしまい、500万円以下の世帯が一番多いのに、平均貯蓄額は1739万円となってしまうのです。
また、赤ちゃんの体重の話で言えば、自分の赤ちゃんが平均よりも軽かったら心配してしまうことがあるかと思います。でも、平均よりも重い赤ちゃん、平均より軽い赤ちゃんがたくさんいて、平均値が計算されているわけですから、よほど平均値からも離れていていない限り、とくに心配する必要はないわけです。大きくなったらよくご飯を食べて太ったりするわけですから・・・。
平均値とは、様々なデータをたった一つだけに集約した数値です。 平均値を参考にするのはいいですが、平均値と自分の数値を比較して一喜一憂するのは、意味がないことだとわかります。
世の中は相対評価
自分の数値が平均を上回っているほどよい、あるいは平均と同じくらいだから安心だと、多くの人はこのように世の中に出回っている平均やそのほかの指標を使って、自分を評価しています。つまり、人は相対評価をして自分の幸せ度を決めているのではないでしょうか。
今日本で生活していて、月収18万円しかなく生活がカツカツだと、幸せを感じづらいかもしれません。昔のあの同級生たちはもっと給料をもらっているらしいと、自分よりも他人の給料が多いことを妬んで不快な気分になったりします。
途上国では、小さな仕事で生計をたて、ほんとうにその日暮らしをしている人が大勢います。
・道端で飴などのお菓子を売る
・道端で水をビニール袋に詰めてパックし、冷やして売る
そんな中で暮らしていて月収18万円もらっていたとしたら、裕福な気分になるのではないでしょうか。周囲の環境によって18万円がよくも悪くもなるのです。
ふつうは身長○○cmくらいあるのに、私は○○cmしかない・・・
ふつうは月収○○万円くらいなのに、私は○○万円しかない・・・
○○は結婚しているのに、私は結婚していない・・・
○○は好きなことしているのに、私はできていない・・・
○○は自由奔放にやっているのに、私はできる状況にない・・・
○○の仕事は創造的なのに、私の仕事は・・・
比較しようと思えばいくらでも比較できます。
他人と比較しても仕方がない
自分と他人を比較して、ああ劣っているなあと考えて、不幸せな気分になっても仕方ないのではないでしょうか。その比較していることは、本当に自分にとって大切なことなのでしょうか。世の中がやれ平均的には○○ですよ、はやく○○したほうがいいですよと謳われていますが、そのようなものにとらわれないようにするには、他人は他人、自分は自分と割り切って考えることが必要になってきます。
自分で自分の指標をつくりだす
人生の目的は、最終的には幸せになるとか人生を豊かにするといったことではないかと思います。他人がつくった指標をクリアすることが人生の目的ではないはずです。
- 平均身長は○cmです。
- 年収の平均は○○円です。
- 貯蓄額の平均は○○円です。
- 40歳男性の平均年収は○○円です。
- 結婚年齢は平均○○歳です。
- 生後3か月の赤ちゃんの体重は平均○○gです。
これらの指標をクリアすることが人生の目的ではないですよね。このように世の中に存在する様々な指標の中で、自分にとって本当に重要なものはなんでしょうか。それを考えるべきだと思います。
たとえば、試験があって、過去の試験結果、統計を見て○○点以上とることができれば合格できるという情報があれば、指標とすべきなのは、○○点以上の点数を獲得することです。他の受験者よりも点数をとるとか、競争率とかそういったものは関係なくなります。
比較すべき対象は、過去の自分であったり、自分が作り出した指標とすべきです。それがあれば、他人は他人、自分は自分と考えることができて、自分の幸せを追求していけるのではないでしょうか。
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