“やらされる意識でする仕事”と“自らやる意識でする仕事”は、仕事の面白さに大きな差が生まれてくると思います。やらされ感を持ってしまうのはどんな状況でしょうか。それは自分には関係のない仕事、やっても意味ない仕事を強いられることです。
サラリーマンの基本は、経営者の指示に従って仕事して成果を出すことで、対価を得るというものですよね。自分の意見を伝えることはあるにしても、最終的には組織の中で自分の上位者の指示に従うわけですが、それを、やらなきゃいけないという気持ちでやっていると、仕事はつまらないものになってしまいます。
今まで行った仕事の中で、つまらない仕事と面白い仕事を比べてみるとどうでしょうか。つまらない仕事はやらされ感をもって嫌々やった仕事で、面白い仕事は、自ら積極的に行った仕事ではないでしょうか。
自分の関係のない仕事をやるよう依頼されたり、意味が無いのでないかと思う仕事を依頼されたりすることがあると思いますが、その時に、やらされ感持たずに仕事をするにはどうしたらいいのでしょうか。会社の仕事に限らず、自宅でやること、恋人にすること、すべてそうであるかなと思います。
自分が望んでやっているんだと思う
野球選手の工藤公康さんの話ですが、プロ3年目のシーズンにアメリカのマイナーリーグに留学したとき、厳しい環境の中でも生き生きとした精神を持ったアメリカの選手たちを見て、「“やらされる”と“やる”の違い」に気が付いたそうです。
「彼等は誰かにやらされているわけではなく、自ら望んでやっている。だから過酷な条件だろうが、シビアな環境だろうが気にならない。逆に楽しんでさえいる。私は、野球に対する意識を練習から帰ることから始めました。『自分はやらされているのではなく、自らやっている』と言い聞かせながら練習に取り組みました。」
言い聞かせながら行ったということは、あの工藤さんにしても、もともとはやらされ感をもって練習をしていたということでしょうか。その意識を無理やりにでも変えるようにしたみたいです。
自分の周囲を見渡してみて、つまらなそうに仕事をしている人は、やらされ感を持って仕事をしているように見えます。
- ○○をやらなくてはいけない
- ○○やらないと怒られるからやっておこう
- しょうかないからやるか
- 期限が明日だから今日中にやらなきゃ
これらを、自分が望んでやっているんだと意識を変えることです。
自分で仕事の意味を作り出す
こんな仕事を依頼されたらどうでしょうか。媒体は忘れましたが何かで読んだ話です。
「穴を掘りなさい」と指示される
穴を掘り終わると、
「穴を埋めなさい」と指示される
その後、穴を埋め終わると、また別の場所で穴を掘ってくださいと指示される。
それが繰り返される。
自分のやった結果を自分で無効にしてしまうのですから、これが仕事だとしたら、つまらない、むなしい仕事です。
仕事には必ず目的があります。目的がないとしたらそれは仕事ではなく、上に書いた穴掘って埋めるのと同じ単なる作業になります。自分が望まない意味のなさそうな仕事の依頼があったとき、意味がないように見えても、仕事を発注した者にはその目的があるはずですから、まず、それを把握することです。わからなければ、聞いて確認することです。
確認はしたけれども、たいした目的がなかった場合はどうしたらいいのでしょうか。そうしたら、自分でその仕事の意味をつくり出してしまうことです。
プラスアルファでできることを付け加えてもっと価値のある仕事にしたり、 ゲームのような感覚で時間を設定したり、なにかしらで、その仕事の価値を上げる努力をしたり、自分が楽しめてしまうような仕事に変えてしまうことです。
仕事に追われるのでなく、仕事を追う
○○の仕事をしないといけないとき、それを上司や一緒に仕事をしている同僚に「○○をやってくれ」と言われてから、やり始めるのでなく、その前に自ら動き出すようにします。
「○○をこう進めていきますから、よろしく!」
「○○について、今日話す時間とれる?」
といった具合です。先手先手で働きかけること、つまり主導権を握って仕事をすることです。
何年か一緒に仕事をしている上司であれば、どういうふうに動いてくるかがある程度は読めるはずです。たとえば、上司からこの間あった指示について、そろそろ進捗を聞かれそうだな、などとわかると思います。
そうしたら、聞かれたり催促されてから返答するのでなく、その前に自分から言うべきなのです。言われたからやるのでなく、言われる前に自ら動いて仕事をしたり、話をしに行ったり聞きに行ったりするのです。これだけでも、やらされている意識がけっこう減ります。
私はメーカーで仕事をしていて、新商品のテスト製造をすることがあるのですが、私は役割的にはテスト製造の中心ではなく、横からチェックをしたり、他の人が見ない点を確認したりする仕事をしています。ですから自分が主導権を持って計画を立てたりすることはないわけです。
テスト製造の中心人物から急にテスト製造の予定が入ってくると、大変だなあ、と思うことがあります。いきなり明日○○時にやるから、と急に言われたときには(結構これが多いのですが)、嫌な気分になってしまいますよね。
そこでこんなふうにしてみました。
テスト製造をやる必要があることは前からわかっているので、「明日○○時にテスト製造するから」とか言われる前に、自分から「テスト製造はいつやる予定ですか?」、「○○日などはどうですか?」と聞くようにし始めました。
自分から聞いて物事を進めているわけですから、○○日に実施すると決まったことに嫌な気分は持たなくなります。自分から話始めて決めたことなのですから。
これも言われてから対応するのでなく、言われる前に自分から動くという例です。仕事に追われるのでなく、追われる前に自らやる、ということで、やらされ感が無くなるのではないでしょうか。
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