「雑用ばかりで大事な仕事をやらせてもらえない」
「雑用がたくさん回ってきて、しんどいです」
こういった言葉を質問サイトなどで見聞きすることがあります。職場で一番若手の方とか、中小企業で新卒が入ってこないのでずっと会社の中で年下という方などからです。
雑用はどこの職場でも発生します。本業とは関係ない細々した仕事だとしても、誰かが処理しなくてはならないですよね。往々にして、雑用はある特定の人に集中しやすいです。その大変な思いで処理をされている方が、上のような質問・意見をするのです。
この記事ではそんな方に対して何か参考になれば思い、雑用をどうしたら卒業できるのかを書きました。
- 「雑用ばかりで大事な仕事をやらせてもらえない」
- 「雑用がたくさん回ってきて、しんどいです。」
こういった意見に対するよくあるアドバイスは、
- 「雑用という仕事は無い」
- 「雑用にこそ仕事の本質がある」
- 「雑用だっていくらでも工夫をして面白くすることができる」
などです。よく聞く言葉ですよね。
たしかに、これらの主張には一理あります。どんな仕事も組織にとって業務を回していくために必要なものですし、工夫をすれば何もしないよりかは楽しむことも可能です。
しかし、自分がやるべき雑用をやるのはよくても、他の人がやるべき雑用までなんでもかんでも引き受けるのは考えた方がよいです。雑用的な仕事は立場の弱い人にやらせてしまえと考える人、深くは考えてなくても自然にそうする人がいます。自分の部下に対して仕事を振るのであればいいのですが、他部署の立場の弱い者に、自分のやるべき仕事を振ったりするのです。
「この仕事(雑用)やっておいて」と言われたままに、はいはいと引き受けていると、ひょっとしたら上手く利用されてしまって雑用係になってしまうかもしれません。
私が以前所属していた部署は管理部門で、どこの部署のやることがわからないような仕事がよく回ってきていました。はいはいと引き受けていたら、四方から雑用的な仕事を依頼されるようになっていきました。
目次
まだ実力がないときは雑用を引き受けるのもいいけれど・・・
まだ仕事を始めたばかりの新人は、大きな仕事はできませんから雑用をするのは当然です。また、たくさんの雑用をこなして、仕事を早く効率的にこなす力をつけたり、雑用であってもいろいろな仕事に関わって仕事を覚えていくのは意味のあることでしょう。
でも、仕事の力をつけてきて、そこそこの年齢になっても、雑用ばかりをこなしているのは、どうかと思います。
「雑用という仕事は無い」
「雑用にこそ仕事の本質がある」
「雑用だっていくらでも面白くすることができる」
こういった主張をする人は、どういう人たちでしょうか。人から雑用を振られるポジションではなく、雑用を振る側のポジションにいる人たちではないでしょうか。昔はたくさん雑用を、どうにかして面白くしたり、効率的に工夫して速くこなしてきた人たちです。
そのおかげで仕事が順調に進み、上司に評価されて出世したことで、雑用をしなければならない立場を抜け出せた人ではないでしょうか。雑用を効率的にこなして力をつけるのもいいのですが、いつかは卒業しなければなりません。
雑用の処理の基本は早く正確に
雑用を処理するときの基本は、早く正確に処理することに尽きるのではないでしょうか。ほとんどの雑用の仕事はそれしか求められていないように思います。
- コピーをとるのであれば、きれいなコピーを早くとるだけです
- データを入力するのであれば、間違いなく早く入力するだけです
- コーヒーを入れるのであれば、おいしいコーヒーを適量いれるだけです
こういった仕事がきちんとできない人は、雑用を卒業することができません。仕事は人から依頼されるものです。お客様から依頼されたり、上司から依頼されたりです。雑用を卒業するには、雑用を越える仕事を依頼されなくてはならないのです。
大きな仕事を任せてもらうには、雑用をしっかり行う必要があります。仕事の依頼する人が、ちょっとした仕事や雑用をまともにやってくれない人に、もっと大きな仕事を依頼しようと考えるでしょうか。考えるはずがありません。
雑用から何を学ぶか ・どうしたら面白くできるか
雑用をするときには、何か学べることはないか、どうしたら面白くできるかを考えながら雑用をすることをお勧めします。同じ雑用を続ける場合でも、毎回毎回工夫することはできます。
コピーをとる仕事であれば、斜めになったりしないようにし、ホチキスを閉じるのもズレがなくきれいに閉じたり、 あとは、自分にプラスになることとして、資料に目を通すとか、コピー機の付近にいた人と話をして情報交換するとかはできます。
雑用から卒業する道を考える
とはいっても、ある一定のところまで行ったら、それ以上工夫しようがなくなるものもありますし、さすがにずーっと何年、何十年も同じような雑用仕事を任されていたとしたら、いくら工夫をしよう、面白くしようといっても、限度があります。
雑用から卒業するためには、雑用を工夫して効率的にこなし、本来の業務でも成果を出し、自分の評価をあげて出世をすることです。自分が出世をして高いポジションにつき、新人も入社してくれば、部下に雑用を任せられます。
しかし、ポジションがなかなか上がらない人はどうしたらいいのか?また、新人が入ってこないような中小企業または部署では、もともと雑用をしている人は、出世をしてポジションが上がっても、そのまま雑用を続けることになります。その場合はどうしたらいいか?
他の人がやるべき雑用を引き受けない
面倒なことを弱い人に押し付けてやらせようとしする人がいます。弱い人とは、立場が下の人であったり、気持ちが弱気の人です。自分の直属の部下に対して依頼をするのは当たり前の話ですが、他の部署の弱い立場の人に雑用を投げ、めんどうなことはあいつにやらせてしまえと考える人がいます。
責任範囲から大きく外れていると思うことは、引き受けないことです。仕事はやるべき人がやる。基本これが正しいです。
自分がやるべきではない仕事、雑用仕事の依頼を上手くかわす断り文句をこちらに書いています。
これは褒められた話ではないのですが、以前一緒に仕事していた同僚に、他部署から仕事を依頼されると、露骨に嫌そうな態度をとり、あれこれ理由をつけて断っていた人がいました。
それを繰り返していると、誰もその同僚には仕事を依頼しなくなっていきました。依頼する方は、その同僚に仕事を依頼すると嫌な気分にさせられるので、当然ながら依頼したくなくなっていったわけです。ここまでやらなくても、「ノー」と言える力も必要と思います。
ムダな雑用仕事を無くしたり、もっと効率的なやり方を考える
その雑用自体ほんとうにやる必要があるのか考えましょう。どうしたら手間を減らすことができるのか考えましょう。コンピュータで処理できないか、省ける工程はないかなど。うまくできれば、雑用仕事の量を減らしていくことができます。
仕事のムダを無くす手法として「ECRS」があります。ECRSでムダとりをして仕事を速くする
ムダを排除していくことは本当に大事です。効率的なやり方を考えるよりも、この仕事は本当に必要なのか?と問いかけることの方が大事です。
その次に、仕事をどう速くやるのかを考えます。仕事スピードを速くするために読むべき8冊の本の記事で仕事を速くするために役立つ本を紹介しています。
雑用も行いながらも、よりレベルの高い仕事も行う
雑用は同じように行いながら、よりレベルの高い仕事を任せてもらえないか上司にお願いしてみます。そのためには、より高い仕事をするための時間を確保しなくてはいけませんから、より効率的に仕事を処理していくことが必要になります。
雑用だけでなく仕事全体をやらせてもらう
雑用とは細切れの業務であり、大きな仕事の中の一部分です。大きな仕事は雑用の塊ともいえます。細切れの雑用をやるのであればいっそのこと、もっと広い範囲の仕事をやることができないか考えてみましょう。
雑用の依頼者に対してお願いをするのです。細切れの雑用をやらされるくらいなら、その仕事全体をやってしまおう
最後に環境を変える
雑用をやるのであれば、早く正確に処理し、できるかぎり何かを学びとったり、面白くやる方法を考えること。そして、雑用を卒業していくことです。
しかし、どうあがいても、いつまでたっても雑用から卒業できないのであれば、環境を変えることを考えるべきかもしれません。要するに部署異動や転職です。
部署の異動であれば、その移動先では、どういった仕事をするのか、雑用はどのようなものがあるのかなど予測がつきやすいですし、その部署の人に話を聞けば正確に知ることもできます。
転職して働く会社を変えるとなると、どのような環境になるのか予測がつきにくいです。同じような環境で同じポジションで仕事をするのであれば、 雑用を行う可能性はあります。できれば、上のポジションに行けるように戦略を練る必要があります。
また、雑用はやるべき人が自分でやるというような文化の会社であれば、雑用が集中してきて困ることも少ないはず。事前の情報収集や面接でそのようなことを見抜ければいいのですが、なかなか難しいところもあります。
転職を考えるのであれば、自分の市場価値を知ることです。MIIDAS(ミーダス)では、自分の年齢や職種、スキルなどを登録すると、自分の市場価値がわかるようになっています。ものの数分でできますし、無料です。また、他の転職サイトとは違っているのは、登録した内容を見た企業からオファーが届くのですが、即面接に進める点ですね。
転職をしたけれども、とくに好転しなかった知人がいます。しかし逆に、職場環境が悪くて仕事に疲れていたけれども、転職をしたらその会社の環境が良く、生き生きとしだした人も知っています。運による部分もあるのですが、よりよい道にいける可能性を高める努力は必要です。
コメント
まさに私(30歳女)の現状がそのまま書かれています。
町の印刷工場に高卒で入社しましたが工場内のお手伝い的な作業と簡単なパソコン入力を6年した後新しくできた社屋の清掃や備品注文などの雑用などをやっています。
仕事のレベルも給与も新人の時から変わっておらずずっとモヤモヤとしていたのですが体力がなく疲れやすかったりとろくて仕事ができる方ではないのでここを辞めたら能力が低すぎてもう正社員としては働けないのではないかと怖くて踏みとどまってしまいます。
雑用しか任されないような人ができる仕事なんてないんじゃないかと…
雑用とはいえ体力仕事なのでいつもクタクタになって帰宅、すぐ横になってしまいます。
結婚もできそうになくもうどうしていいか、悩んでます。
コメントありがとうございます。
体力をつかうとぐっすり眠れてしまいますよね。
会社の仕事を見渡してやりたいことがあればやらせてもらえるようお願いしたり、
生活のほうも含めて、できる範囲でなにか新しいことをやって、
小さくても変化をつくっていくのがいいかなあと思います。
私も小さな工場の事務所で雑用の毎日です。定年まで頑張っても今の環境が良くなる事は有りません。今後部署が変わるとしたら現場に異動ぐらいでしょう。
雑用も大事な仕事だと言う人ばかりでしたが、こちらのサイトには弱い人に押し付ける人がいる事、何年経っても定年まで雑用係りが続く現状を分かってくれていると感じました。
リンクしたページには具体的な断り方法まで載っていて、まともな職場なら有効だと思います。
(実際に私も言っていますが、全て睨まれ怒鳴られ押し付けらています)
正社員にこだわらず、自分が成長できる仕事を探して見たいと思います。
より良い道を選べる可能性はないと決めつけていましたが、少しだけ希望が持てました。