自分の責任はどこからどこまでなのか、よく知ることが大事です。責任範囲を越えたものごとに関しては、無理に自分が背負い込む必要はありません。
責任逃れをしたいズルい人は、自分の代わりに責任を被ってくれる弱い人を探しています。自分より弱い立場の人に対して責任を被るように責め立てて、押し付けようとするのです。
心が弱い人ほど、責任を他人に押しつけようとする人に利用されてしまい、押し付けられた責任を引き受けてしまいます。心が弱いとは、相手がやるべきこと、相手がとるべき責任を押し付けられたときに、断れない人です。
ほんとうであれば、相手がとるべき責任を自分がとらされそうになったら、これは私がとるべき責任ではないと、きっぱりと拒絶をしなければなりません。
以前一緒に仕事をしていた係長の話です。部署内で発生した問題について部下からその係長へ話が上がってきたときに、自分で責任をもって処理しようとしないのです。他部署の人間で、弱い立場であった私に、責任がいくように仕向けていました。その係長が管轄している部署で問題が起きたとき、本当は自分が問題を処理したり、上長へ報告をしなければいけないのに、他部署の私が、上長への報告や仕事の処理をするように仕向けられ、その責任を押し付けられたことがあります。
どのようにしたかというと、私の知らないところで、問題を上げてきた部下に「○○(私の名前)に話してみて」と言って、私の方に話が来るようにしていたのです。
その部署内の話ですから、私はその係長のところにいって話をします。すると初めて聞いたかのように、「そうなんだ。じゃあ対処しておいて」と言って、自分は関係ない態度、責任から逃れられるポジションをとるのです。自分の部署の中の問題なのに、です。
「なんで私がやるのだ?」と思いながら、私は係長の上長に報告したり、現場に行ったりしてその問題を処理していました。
これは私が引き受けるべき仕事、責任ではなかったと思います。自分が背負うべきでない責任まで背負うようになると、どんどん苦しくなります。そして責任を私に押し付けた人が何事もなく過ごしているのを見て、イライラすると同時に自分が情けなくもなります。
どこまでが自分がとるべき責任なのか明確に認識すべきです。
相手がとるべき責任を自分がとらされそうになったら、これは私がとるべき責任ではないと、きっぱりと拒絶をしなければなりません。言うべきことは言わなくてはなりません。 また、自分はこの係長のように、立場の弱い人に対して責任を押しつけるようなことは絶対にすべきではないでしょう。
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