複数の原因が重なって失敗が起こる
失敗やミスというのは、いくつかの原因が重なり、その結果発生します。それらのいくつかの原因がすべてそろった時点で発生するので、もしもその一つでも原因を押さえこめていたら、失敗は起らないということがあります。
後から振りかえすと、あそこでおの行動をしなかったら、失敗していなかったのに、○○さんが一言声をかけてくれていたら・・・、
と失敗した後に思い浮べることがありませんか。
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製造メーカーの現場にて・・・・
1)ある者が仕事を行ったが、経験が無く不慣れなため、間違えを起こしてしまった。
2)リーダーがいつもは作業者に対して、ここはここを気を付けてね、と注意喚起してくれるのに、たまたまミーティングがあり現場を離れていて、その注意喚起がなく、作業者の意識が弱くなった
3)いつもはチェック担当の者がいるのに、その日は休みであったので、あまりその仕事に詳しくない者がチェックをし、その間違えを見抜けなかった。
4)近くにいて他の仕事をしていた者が、横目で見ていて大丈夫かなあと心配で、一声かけようかと思ったが、でもまあいいやと声をかけなかった。
5)失敗が起きた。
原因というのは、複数あることが多く順序もあります。行為の選択を、正しい方向と間違った方向で枝分かれした分岐点ととらえると、この分岐点で、正しい方向を選び続ければ正確な仕事ができるし、間違った方向を選び続けると失敗に到ります。
分岐点が5つあったら、そのうち2つまでは間違った方向を選らんでしまっても、良い結果が得られるが、3つ以上間違えると結果失敗する、というようなことであれば、その3つが十分原因であるということになります。
間違った道を選らばないため、失敗を起こさないために必要なのは、なにか間違えを起こしてしまったとき、「あれ、これおかしいな」と、いつもと違う点に気が付くことができるかどうかです。いつもと違う、異常が起こりそうな前兆に気が付くことができれば、予防の一手を打つことができる。
気が付いたときにはもう手遅れです、となる前に軌道修正をすることであるし、軌道修正が効かなくなるような致命的な間違いは起こさないような仕組みを作ることです。
いつもと違うことに気が付けるか
あれ、何かいつもと違うなぁ、ということを感じたら、放っておいてはいけいない。
それが失敗や問題発生の前兆かもしれません。メーカーの製造現場であれば、
・機械の音がいつもと違うなぁ
・製品の出来栄えがいつもよりばらつくなぁ
など、それらは失敗や問題の種であったりする。そういった点を意識できれば、このようなことが起こるのは、○○が起こる前兆だ、何かおかしいので良く確認しながら作業を進めよう、と失敗の予防ができるようになります。
とはいえ、毎度毎度あらゆるういろんな箇所を、確認しすぎるのは、時間がいくらっても足りないです。どいうすればいいかというと、このようなときはこんな失敗が起きたという経験によって知った”ここを押さえておけば大丈夫”、というチェックポイントを持っておくことです。
チェックをすべき重要なポイントがある
ベテランの仕事は早いし正確である。ここを押さえておけば間違いないというチェックリストを持っていて、それをザッとくぐらせて、間違いを予防することができるのである。
ホワイトカラーの資料作成でいうと、
・ここの数字は必ず100%になっていないとおかしい
・間違えやすい言葉がある、それは○○と○○である
などである。
以前、製品の使用書を作成する業務で、作成した資料を上司にチェックしてもらうとき、細かな個所でどうしても間違いが出てきてしまっていました。どうしたものかと考え、間違えを無くして正確に作るために、どこで間違えやすいか、その間違えを起こさないためにはどうすればよいかをまとめたチェックリストを作成し、毎回その業務を行う時に活用するようにしました。
そうすると見事にミスが減りました。
そして、そのうちにチェックリストをとくに見なくても、頭の中で大事なポイントをざっとチェックするということができるようになりました。
「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?」(アトゥール・ガワンデ)
著者が伝えたいことは、まさにこの題名の通り、という本があります。
医療現場、レストランの厨房、航空機のコックピット内といった場所で、チェックリストを活用され、バラつきなく正しい結果を得るために、チェックリストが果たす役割は大きいですよ、チェックリストはありとあらゆる分野で役に立つ可能性がありますよ、という話が書かれています。
仕事ができる人、いつもスムーズに仕事を進められる人というのは、ある意味で、頭の中でチェックリストを持っており、チェックすべき点を確実にチェックし、分岐点で正しい方向へ進むことができる人であり、チェックリストによって、間違いなくゴールに向かうための筋道を描けるのだと思います。
それは、
・以前やってしまったミスがあり、それを防止するには、この点を確認しておけば大丈夫だ
・ここは間違えやすい個所だから、あとで必ず見直しを入れるようにしよう
というような経験から作られるチェックリストです。熟達していない人は、いちいちどこが重要なポイントなのかを考えることになり、時間がかかってしまうし、抜けや漏れが出てきてしまうので、ベテランと比較すると、重要なチェックポイントをすっぽかしてしまい、失敗することが多くなってしまいます。
失敗や経験から作られたチェックポイント意識し、分岐点で失敗の方向へ転ばないようにしたいですね。
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