事前に忠告する人よりも、事後に助けてくれる人の方が好まれる

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ある晴れた日、ある田舎での出来事です。

 

ある旅人が大金持ちの家の前を通りすぎるときに、かまどの火が燃え盛っているのが見えました。しかも、煙突から火の粉がでるくらい勢いよく燃えています。「これは危ない」と思った旅人は、その家の主人に忠告しました。

 

「もしもし、ご主人、火事になると大変ですよ。燃え移るかもしれないから、煙突は屋根と反対の方向に曲げておいた方が良いですよ。あと、近くにある薪もなるべく煙突から離れたところに置いた方が無難だと思いますがね。」

 

ところがその家の主人は、

 

「うるさい。よそ者が余計なことを言わないでくれ」

 

と言い、相手にしませんでした。貴重な助言をもらったにもかかわらずです。

 

ところがその翌日、旅人が懸念していたことが起こってしましました。煙突から噴き出た火の粉が、薪や母屋の屋根に火をつけて火事になってしまったのです。

 

火を消すためにてんやわんやの大騒ぎとなりました。そこへ別の旅人が、たまたま通りかかりました。この旅人は、頭を焦がし、額をただれさせながら、火を消すために活躍をしました。

 

この旅人のおかげで無事に家事はおさまりました。主人は大変喜んでこの旅人を手厚くもてなしました。

 

 

**********

これは、「曲突、薪をうつすは恩沢なく、焦頭欄額、上客となすや」という格言で知られる話です。

 

煙突を曲げたり、薪を移すことによって火事を未然に防ぐ事は感謝の対象にはならないですが、火事が起こってから頭を焦がし額をただれさせながら頑張ったら高く評価されるわけだ。

 

しかし、どうでしょう。この話で、主人にとって本当に有益なのは、最初の旅人の「火事になるかもしれませんから気を付けてください」という助言ですよね。

 

たしかに心情的には、後からやってきた、火消を手伝ってくれた旅人の方がありがたい、と思ってしまうかもしれませんが、最初の旅人の忠告を聞き入れて対応してれば、火事自体を起こさずに済んだはずです。

 

 

私たちが行っている仕事や生活に置き換えて考えてみましょう。

 

私たちは、こうしないと危ないよ、失敗するかもよと忠告する人を疎ましく思い、トラブルが発生したときに一緒になって動いて助けてくれる人を、いい人だ、と思ってしまいがちです。

 

起きてしまった失敗は全力で火消し、対処をすることは当たり前で、本当に一番大事なことは、失敗を未然に防止する、ということです。

 

何か失敗を起こしてしまったら、同じ失敗は再発防止し、その失敗から想像しうる新たな失敗を未然防止していくことができるのが、失敗から学ぶことができる上級者です。

 

 

 
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