会社に勤めて仕事する人は、会社に自分の労働力を提供して、その対価として給料をもらっています。
自分が頑張れば、会社が自分にとってよいことを返してくれると思ってしまうかもしれませんが、会社としては、給料を払っていればそれで義務は完結しているわけで、それ以上に何か与えてくれることはめったにありません。
一応は給料をもらっているのに、給料をさらに増やしてほしいとか、出世をさせてほしい、もっと面白い仕事をさせてほしい。
これだけ頑張っているのに、なぜそれらを与えてくれないのか?と考える人は、会社に依存しているともいえます。
ここでは、頑張った報いのひとつである出世について考えてみます。
目次
出世の半分は運に左右される
会社で報われるといえば、出世と給料の面がほとんどでしょう。 例外はありますが、基本的に出世と昇給は連動しています。給料を上げたければ出世が必要です。
出世するのは、運に左右される部分が大きいと考えています。私が観測する範囲では、
- 経営層との関係
- 入社のタイミング
- 所属部署の状況
- 上司の力量
の4つがあると思います。
経営層との血縁関係
もともと経営者または、経営層と関係がある人は、引き上げてもらえて、早く出世できるでしょう。
経営層が親族で固められているような同族経営の会社の場合、もしその親族の子供が同じ会社に入社しているのであれば、当然スムーズに出世していきます。
すぐに部長、役員クラスにまで出世してしまうでしょう。
入社のタイミング
どのような成長段階の会社に、どのようなタイミングで入社するか、出世に関わります。
たとえば、創立して間もない会社に入社して、基幹社員が少ない状態で頑張っていれば、組織化され始める早い段階で係長なり課長クラスに出世できる場合があります。
現にそういう人がいました。その人は、従業員の少ない会社で平社員から係長へポンと昇格しました。当時、会社には評価制度はまともに存在せず、上位の役職者の気分ひとつで役職を上げた、そのくらいのレベルでの判断のように見えました。
まあ数年働いているし、当人も昇格させてくれと言っているし、係長にしてあげるか、くらいの判断です。
その後、その会社はより大きな企業に買収されて統合されました。その係長の役職はどうなったかというと、そのままでした。
買収元の会社の中で平社員から係長に出世するには、もっと時間がかかったはずなのですが、その前に小さな会社でついていたポジションがそのまま維持されました。
もとから買収元の会社で仕事をしているよりも、早く上位の役職につけたことになります。
所属部署の状況
また、タイミングの話でいうと、たまたま自分の上の人が会社を辞めて、ポジションに空きができた。
人材、役職者が不足している部署、競争率が低い部署に配属された。
といった自分が所属する部署の状況によっても、出世のしやすさが変ってきます。
競争率の激しい部門であると、出世しにくいですし、逆に競争率が低い部署だと出世しやすいでしょう。
自分の力量
出世できるがどうか、会社内でよいポジションにつけるかどうかは、自分の上司に力量があり、引っ張り上げてくれるかどうかが重要なポイントです。
その上司に引っ張り上げるだけの実力、権力があるかどうかで、自分が出世は大きな影響を受けます。
上司が出世していけば、もともといたポジションに空きができますから、あなたがその空いたポジションをねらうこともできます。
私の職場で、あるマネジャーが、自分の部門に社外から人材を引っ張ってきたことがありました。
以前に一緒に仕事をしていた人で、その人は平社員として入社したのですが、入社後すぐに主任へと昇格をしました。
また、ある役員が社外から引っ張ってきた人は、営業所の長として迎えられました。
このようなことを身近で見てきました。きっとどこでも見られることでしょう。
会社に期待していることが間違いかもしれない
会社に対して、何かを与えてくれる、報いてくれると期待することが間違いかもしれないです。
仕事の生産性とその対価の話をします。
仕事が速いAさんと仕事が遅いBさんがいて、この両者の仕事スピードの差は2倍あるとしましょう。
Aさんは自分の仕事を頑張って速く終わらせました。上司は仕事を早く終えたAさんを見て、「仕事が終わったみたいだな、じゃあこの仕事もお願いしよう」といってAさんに次の仕事を依頼するでしょう。
Aさんはその仕事も終わらせて定時になったところで退社します。一方の仕事が遅いBさんは、まだ今日やるべき仕事を終わらせることができず、残業をしてしまいます。
こうなっては、仕事を頑張ってより多くの仕事をしているAさんの給料より、より少ない仕事しかしていないBさんのほうが給料が高くなってしまいます。
生産性を向上させ続けている人よりも、おしゃべりをして時間を浪費しているのに気がいていない人や、パソコンスキルが無くて作業スピードの遅い人や、思考力が無くて物事を判断するのに時間がかかりすぎる人たちのほうが、より多くの給料をもらっていくことになります。
これは、非常におかしな話ですが、どこにでもある話でしょう。
成果主義を導入している会社であれば別ですが、日本の普通の会社であれば、このように頑張る人のほうが、頑張りのわりには対価が少なくなります。
将来的には、Aさんのほうがより大きな面白い仕事を任されたり、出世をするなどして報われていくはずですが、短期的には、労働対給料の費用対効果で考えるとAさんは損をしているともいえます。
給料に主眼を置く人であれば、「これだけ頑張っているのに、仕事ができないアイツのほうが残業をして給料をもらっているのはおかしい!」と思うはずです。頑張っても報われない部分はどうしても発生してしまうのではないでしょうか。
これだけ頑張っているのに、仕事ができないあいつのほうが残業をして給料をもらっているのはおかしい、と言ったところで、これが会社のしくみです。
出世の話でも、頑張ったからといって全員が全員、うまく出世できるわけではありません。上記したように出世には運も関わってくるためです。
出世したいとしたら少しでも勝率を上げていくような努力を続けていくしかないのですが、 会社とは万人が満足する万人にとって平等なルールなどは存在しないのかもしれません。
自分の求めているものはなにかを知るべき
自分は頑張った結果になにが欲しいのか、どのように報われたいのか、自分が求めているものを知るべきです。
報われない、報われないと人は言いますが、報われるとはいったい何を指しているのでしょうか。報われるとは、「自分がした頑張りや苦労に見合った成果や報酬が得られること」ですが、人によって、何があれば報われたといえるのか違うはずです。
給料なのか、出世して得られる権力なのか、周囲の人からの称賛なのか?
報われないと思っている人は、自分にとって報われるということは、どういうことなのか、 自分は何を欲しているのか考えてみるべきでしょう。 漠然と、頑張っているのに報われないなぁと考えている人が多いのではないでしょうか。
私の欲しいものは給料であるとわかったとして、それがはっきりとしたらどうすべきかというと、会社に依存することなく、自分が報われるような行動をしていくことです。
仕事が速いAさんと遅いBさんの話にあるように、会社は報いを用意してくれるわけではないです。頑張って生産性の高い仕事をしたとしても、給料が増えるなど自分の欲しいものを必ずしも返してくれるわけではないです。
将来はどうでもいいから現在の給料をとにかく増やしたいのであれば、仕事が遅い人になって、残業をすればよい(個人的にはそれがいいとは思いませんが)。あるいは、仕事を速くこなし、早く退社して、副業をする。
出世をしたいなら、会社の評価制度を把握し、表には出ていない出世ルールを探って、それを狙って行動する。上の人の気分を害することには注意を払い、好かれるようにする。実力、権力のある人の下につく。
周囲からの称賛がほしいのであれば、周囲の人の役に立つ行動をし続ける。
会社が自分の望むものをすべて与えてくれることは無いと考えて、会社の中で、自分の求めるものを自分で得るにはどうしたらいいのかを考えて行動することです。
どう頑張っても、自分の求めているものが手に入りそうにない、つまり報われない、と思うのであれば、転職することで、より報われる環境に移ることも考えるべきでしょう。
転職を考えるのであれば、自分の市場価値を知ることです。
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努力すれば、かならずしも報われるわけではありません。自分にとっての「報われるとは?」に答えを出して、その方向へ努力することです。
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